オリーブの実と似た果実が生るため、江戸時代の博学者「平賀源内」が間違えて「ポルト(ポルトガル)の木」と呼んだことが和名の由来となっているホルトノキ。
保存木に指定されているホルトノキは、東かがわ市を代表する観光施設「讃州井筒屋敷(さんしゅういづつやしき)」の敷地内にあります。
井筒屋敷のホルトノキの基本情報
ホルトノキは在来種であり、香川県内各地で見ることができる樹木です。
以前は、この場所以外にも保存木や県の自然記念物に指定された樹がありましたが、相次いで枯死してしまい、現在、保存木として残っているのはここだけです。
保存木として貴重な樹であるホルトノキは大切に守られており、周囲には柵が設けられています。根本付近の土が踏み固められないようにしているのでしょうか。
指定区分 | 香川の保存木 |
指定名称 | 井筒屋敷のホルトノキ |
樹 種 | ホルトノキ |
樹 高 | 13.50m |
幹 回 り | 3.43m |
指定年月日 | 2008(平成20)年3月21日 |
所 在 地 | 東かがわ市引田2163(「讃州井筒屋敷」内) |
マップ
アクセス
【公共交通】JR高徳線「引田」駅から徒歩で約10分
【自家用車】高松自動車道「引田IC」から車で約10分
「讃州井筒屋敷」の無料駐車場を利用できます。
訪問レベル
★☆☆☆☆(レベル1)
公共交通を使用して訪問することが可能です。
保存木がある「讃州井筒屋敷」は、最寄駅から徒歩圏内です。
『ホルトノキ』ってどんな木?
ホルトノキはポルトガルの木という意味がありますが、日本の在来種です。
分 類 | ホルトノキ科ホルトノキ属 |
別 名 | モガシ(茂樫)、ハボソノキ、イヌヤマモモなど |
樹 高 | 15~30m |
種 類 | 常緑/広葉/高木 |
葉の特徴 | 葉は単葉で細い倒卵形をしており、枝先に集まってつく。葉の縁には鋸歯がある。 常緑樹であるが古くなった葉は紅葉してから落葉するため、1年を通して常に数枚の葉が紅葉している。 |
花と果実 | 7~8月頃に黄白色の小さな花が穂状に15~20個集まって咲く。 9~10月頃にオリーブの実に似ているが少し小さい直径2センチ程度の果実をつける。この実は最初緑色だが熟すと黒紫色に変色する。 |
分 布 | 本州以西/台湾/インドシナなどに分布します。 本州以西の西南日本では、照葉樹林の高木層構成樹として重要で、各地の社寺有林の中で巨木が見られます。 |
そ の 他 | 幹はまっすぐ伸び、丸い樹形になる。 ホルトノキとは「ポルトガルの木」という意味で、江戸時代の蘭学者 平賀源内 がオリーブの木と見間違えて命名したと言われています。 |
ホルトノキは、古くなった葉が落葉前に赤くなるため、年間を通して紅葉している葉を見ることができます。
ホルトノキがオリーブと間違えられた原因の一つである実ですが、どのくらいオリーブと似ているのか比べてみました。
確かに色も形も似ていますね。
さらに、どちらの実も熟してくると黒紫色に変色するので、平賀源内が見間違えたのも納得できます。
現地レポート
訪問月:2017年11月
それでは、香川の保存木「井筒屋敷のホルトノキ」を見に行ってみましょう。
目的地の「讃州井筒屋敷」へは、公共交通(JR)を使用することも可能ですが、私は車で訪問してきました。
無料駐車場に車を停め、「讃州井筒屋敷」の入口へ向かいます。
保存木のホルトノキは「讃州井筒屋敷」の敷地内を時計回りに最奥部まで進むとあります。樹の高さはそれほどありませんが、枝張りが立派でキレイな樹形をしています。
保存木を示す標柱は、正面からみて左側に設置されていました。
左斜め方向から見ても枝張りが立派ですね。横から見ても丸い樹形をしています。
枝が真横に伸びているので、折れないように多くの支柱で支えられています。
11月に訪問したので花は終わっていますが、多くの実がなっています。
色といい、形といい、オリーブによく似ていますね。
ホルトノキの特徴である紅葉もありました。
訪れたのは11月ですが、樹木全体が赤くなるのではなく、一部の葉だけが紅葉しています。
香川の保存木に指定されたホルトノキとして、唯一の樹となった「井筒屋敷のホルトノキ」。
これからも大切にされることを願いながら、現地を後にしました。